シニョーリア宮、別名ヴェッキオ宮は、1229年、アルノルフォ・ディ・カンビオがシニョ-リアと呼ばれるフィレンツェ統治者たちのために設計したものだ。
シニョーリアを構成する9人(プリオリ)は、判事と、フィレンツェの各ギルドから2名ずつ選出された者たちだ。メンバーはくじによって選ばれることになっていたが、メディチ家が実権を握ってからは、なぜか当たりくじを引くのはメディチ派の人間ばかりになった。なんとも立派な人民による政府さ。
面白い話をしよう。正面の塔が中心からずれているのは、もともとあった塔を後で建物の一部にすることにしたからだ。中には小さな独房が2つあり、コジモ・デ・メディチが幽閉されたのはこの一方だ。